開業台帳

訪問系障害福祉サービスの開業・運営を、行政書士の実務目線で

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訪問系障害福祉サービスを始めるには何が必要か——開業の全体像

居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護。いずれも「訪問系」と呼ばれる障害福祉サービスで、これから事業を立ち上げようとしている方の多くが、まず入口として選ぶ分野です。介護保険の訪問介護と重なる部分もありますが、指定を受けるための手続きや基準は障害福祉サービス独自のものです。

この記事では、開業を検討し始めた段階で押さえておきたい全体の流れを整理します。細かい書類の書き方や人員基準の詳細は、それぞれ別の記事で扱いますので、まずは「何を、どの順番で進めるのか」をつかんでください。

訪問系サービスの4つの種類

障害福祉サービスの「訪問系」には、主に次の4種類があります。

  • 居宅介護:自宅での入浴・排せつ・食事の介護や、家事援助など
  • 重度訪問介護:重度の肢体不自由者などを対象に、長時間の見守りを含む総合的な支援
  • 同行援護:視覚障害により移動に著しい困難がある方への外出支援
  • 行動援護:知的障害・精神障害により行動上の困難がある方の危険回避や外出支援

どのサービスを提供するかによって、必要な人員基準や研修要件が変わります。複数のサービスを同時に指定申請することも可能です。

指定申請までにやることは4つ

新規で指定を受ける際は、次の4つの手続きをすべて行う必要があります。

  1. 指定申請手続き(指定申請書・付表・参考様式などの提出)
  2. 介護給付費等算定届(加算届)
  3. 業務管理体制整備の届出
  4. 障害福祉サービス事業等開始届

「指定申請さえ出せばよい」と思われがちですが、実際にはこの4点セットで進める必要があります。特に業務管理体制整備の届出は忘れられやすいので、早い段階でスケジュールに入れておくと安心です。

スケジュールの立て方

指定日は原則として毎月1日と15日です。そして、希望する指定日の1か月半前までに申請書類を提出する必要があります。

たとえば4月1日の指定を希望する場合、通常より早めの提出(1月末まで)が案内されることもあります。年度替わりのタイミングは申請が集中しやすいため、開業を考え始めた時点で逆算してスケジュールを組んでおくことをおすすめします。

申請書類の審査には、休日を除いて30日程度かかります。基準を満たしていれば指定通知書が届き、そこから事業がスタートします。指定の有効期間は原則6年間で、その後は更新の手続きが必要になります。

申請先はどこか

申請書類は、事業所所在地を管轄する県民局(健康福祉事務所)などの窓口に提出します。窓口は地域ごとに分かれているため、事業所を置く場所によって提出先が変わる点に注意してください。

まず何を準備すればいいか

全体像をつかんだら、次に取りかかるのは次の3点です。

  • 提供するサービスの種類を決める(人員基準・設備基準が変わるため)
  • サービス提供責任者・管理者・ヘルパーなど、人員体制の見通しを立てる
  • 希望する指定日から逆算して、申請スケジュールを組む

このあと、人員基準の詳細や申請書類の書き方、開業直後に必要な実務については、順を追って解説していきます。

本記事は一般的な情報を整理したものであり、個別の事業所の状況によって必要な手続きや判断は異なります。実際の指定申請にあたっては、最新の要綱をご確認のうえ、行政書士などの専門家にご相談ください。